メイプルコミュニケーションズのアルバイターの日常
10月20日(日)「#2 恐怖!機動淡路島」
風呂を偵察する。最上階に設置された風呂。水は下に流れる。普通は下にある。そこにセンスオブワンダーを見いだす瞬間はまさに至高。只の風呂が知性を気持ちよく擽る瞬間だ。だがおいらはそう簡単には癒されない強靭な精神の持ち主だから冷静に現状を分析するに、ビルは一度屋上に水を貯めておく性質があることを思い出す。だがこれとてガラス張りの景色が雨模様のため豪快な夕焼けを映し出すことがなかったから正常でいられたのであろう。一瞬たりとも気が抜けない。風呂の出口に設置された自動按摩装置も、おいらが近所の和光電気でナショナルアーバンを常時無料体験をしていなかったらと思うとぞっとする。標準的日本人にとっては危険な事には変わりはない。食事の時間。季節は秋。松茸!松茸!松茸!。真珠湾攻撃mkUが有るのなら暗号名はコレにて決定。どの料理にも松茸フレーバーが存在した。松茸のなにやら和風なペースト物質からすき焼き、土瓶蒸し、牛肉の松茸巻き、焼き松茸(目前でシェフが仰々しく炭火処置)、松茸ご飯。料理の9割、厳密に述べるとデザートのメロン以外の9割以上に忍び寄る松茸。海外からやってきた松茸を淡路島で食らう意味を見出せないまま、強引に、半ばレイプの如く笑顔に成らざるを得ない状況に持ち込まれる。しかも一品一品が美味。食後、散策の旅に出てみようと思うものの、宿を出ても山の上、降りても住宅街。簡保の宿が観光地ではない収容施設たる所以である。完全に密閉した閉塞感を全く感じさせない演出だが、外に出て行く必要は当然見出せない。「癒されろ!」命令形の笑顔がこだまする従業員。ゲームコーナーからひびくエアホッケーの遊戯音と歓声。明日のおいらは一体どのようになっているのか、不安の闇とともに就寝する。
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