メイプルコミュニケーションズのアルバイターの日常
10月27日(日)「震える雪彦山(後編)」
朝の八時五〇分、目覚まし時計に助けられて起床するものの、井上仙人やから待たせても良いとの寝起きならではの憲法を脳内制定して再び爆睡。その後井上から寝過ごしたから十時に変更と携帯電話にての通達に一方的に非難をあびせておいた。すがすがしい目覚め。素晴らしいハイキング日和。セイコマート(ローカルなコンビニ)の独自ブランド「セイコマートコーヒー」を見つけては子供のようにはしゃいだ登山前の無邪気な自分にはもう戻れないだろう。フォーエバー無邪気。登山口の記入帖やらリーダーを決めてくださいの立て札に漫才師のように突っ込みを入れて爆笑した数分前の自分が憎い。もう引き返せないほどの急傾斜。足が上がらなくなったので横歩きに、そして四つんばいになっての登山。極めつけは崖&チェーン。この時点でハイキング家族はノックアウトだ。なぜなら重箱のお弁当は無事ではすまないからだ。それほどに雪彦山は厳しかった。だが井上仙人はカモシカのように山道を駆け上っていた。山頂にはロープをぶら下げた山男達がパック牛乳を飲んでいた。あるものはガスコンロを組み立てていた。ここはレジャーシート不毛の地であった。ちなみにわたしの持ち物はおにぎり。山頂にいけば峠の茶屋でみたらし団子が喰えるものと確信していたからだ。でもそれは無理。峠に山頂は無い。二度と行くものか雪彦山。
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