インドの映画「RRR」がすごかった件

観てない人は「生命体としてもう駄目」なのですぐに見に行こう。

IMAX画角(1.9:1)に対応なので、後日でっかい映画館で観なおす予定。
ほんとに3時間というのにあっというまのジェットコースター

時代は英国占領期のインド。イギリス人はまぁ、アレだ。

=エンタメ全振りなのにめっちゃ泣けた=
ここ泣くとこちゃうでしょ?なのに俺は感動で泣した。

・序盤のパーティにお呼ばれしての強烈なナトゥのダンスとビート。
足をかけられ転倒したビームに、西洋ステップを見せびらかせ
劣等人種と罵倒を浴びせる英国人に対して、

自分脳内では「あー態々各種ステップ披露した前振りだから、
まずは完璧な模倣をかまして相手が怯んだところで、
西洋ステップ+インド伝統舞踊アレンジで、
いつものミュージカルが始まるんだろ」と想像した自分が恥ずかしい。

いきなり「インド全開フルスロットル」だ!西洋文化!知るか!ここはインドだ!
ラーマがキッカケカマしたの、お、やっぱこいつは魂がインド確定なのも含めて痺れる。

で、先ほどの脳内予想、これが明治維新以降の日本人のDNAなんだわ。
西洋文化が入って国体を司る偉いさんが「鹿鳴館」をやっちゃうメンタリティ。
見方はどうあれ、すでに屈服&敗北なんよなぁ。今も。

これが自力で独立を勝ち取った国の強さよなと感服した(そして若干の悔し泣き)
そーゆう意味では全盛期アメリカに勝利した北ベトナム人はいったいなんなんだ?

・終盤のラーマにラーマ神が憑依したかのような
国の大儀のため戦っていたラーマの真意を知るビーム。
でも、実際のところラーマだって「インドの復興」ではなく、
家族が殺された事によるイギリスへの「復讐(Revenge)」要素の方が大きく感じる、
これまでの銃(殺し)に頼る反乱による戦いを望むのもそこが大きいのでは。
父親による「装填・狙え・撃て」はまさに呪いの言霊そのものかと。
幼少期からの軍事教練・恨み節なんぞ、目的のためとはいえやっぱ駄目だよ。

武器を弓矢に変えたとき、この呪いから解き放たれたんだ!
そして、大きくメンタルを変えるキッカケは、
偉大な思想家でも政治家でも書物でもない、
誰でもない単に素朴な家族を愛するビームとの交流なんだから。

で、ラーマは変わったけどビームは根本は変わらないんよな。
ビームこそが真の強さ(虎と戦うなんて事ではない)を持ってるんだと。
うん、こんなん泣くよね。

・こまかいネタ振りが感動的に戻ってくる。
インドは女性と青春スキャンダルとかよろしくないお国柄らしく、
青年男性同士でも性的な要素抜きでスキンシップ豊富らしい。
そんなイチャイチャ仲良し期の前振りが、
後半の生死分け目・絆復活でいちいち生かされるのも
そのつどハッとしてグーで涙腺にクルわ。

=その他(インドの独立のお話なので比較論っちゃう)=
個人的にちょっと?だったのが、結局のところ反乱分子に銃が渡っちゃうんだよね。
ここはインドといえばガンジーなお花畑な日本人メンタルには響かないんだが、
たぶん母国や他の国では、ハッピーエンドなら当然そうだよね!なんだろう。
戦ってしか手に入らないものもある。どっちが良い悪いではなく教育よな。
テーマがテーマなだけに、結構、日本人の自分を意識させられた。

そういや先日、韓国人さんに、ネットウヨクの方がネットで得た知識を
誇らしげに振りかざしててゲンナリ&反論しといたが、
日本人に良い人も悪い人もいただろうが、
国単位では雑な大儀を掲げてイギリス人の猿真似してただけ。

「噛んだ方はすぐ忘れるが、噛まれた方は一生忘れない」という言葉を忘れなきよう。
※別に延々と謝罪せよとか言ってる訳ではないよ。

初見にも関わらず感想は他にも山盛りなんだが、
書き始めたら終わりそうにないので
この辺でEOFる。